企業という枠を超える

2016年、人事部に異動して数か月。
前職企業の社内のCSRイベントのゲストでロート製薬のCSV推進部の河崎保徳部長が来社され講演されたことがありました。
その時のお話は私の固定概念を大きく覆すものでした。

企業という枠を越え、競争から共創へ。

講演いただいた内容は社外秘なので詳しくは言えませんが、私はその講演を聞いていて、思わず目頭が熱くなりました。
大まかに言うと、震災遺児たちに対する本当の意味での支援という形に気づかれた時に一つの企業では成し遂げられないと考えられ、
繋がりのあった、カゴメやカルビーにも協力を要請して協力を得ることが出来た話でした。
これが「みちのく未来基金」でした。

そしてその後のお話では、他の様々な取り組みのお話をしていただきました。
企業と言う枠だけで捉えると考え方が狭くなる。
規模が狭くなる。視野も狭くなる。
それぞれの得意分野を繋げるとまったく新しい発想の事業が生まれてくる。
と言う考え方。

その頃の私はキャリアコンサルタント養成講座で、企業の枠を個人で越えるという経験は身をもって体験しておりました。
しかし、河崎部長のお話は、企業同士が企業の枠を越えるという話でした。

企業は、経済活動において他社より優位でなければならない。
という私の固定概念。
自社以外は敵、ライバルである。という考えです。

その私の固定概念がひっくり返ったのが、この時の講演でした。
長年染みついた私自身の固定概念を覆されたとき、「自分でもやってみたい!」と思いました。

それが、今年7月に実施した、前職含めた3社合同ワークショップに繋がっています。
企業として企業の人材を交流させ、自社の人材を成長させる。
まさに人材の共創作業です。

企業の存続意義は、売上利益の追求だけではありません。
何のために売り上げ利益を追求するのか?社会で育てていただき社会に貢献するためです。
言ってしまえば、それだけです。
それが無い企業は、これからの世界では淘汰されていくに違いありません。

河崎部長のお話の中で印象深かったのが、
「製薬会社は人々が不健康であることが売り上げや利益追求になるのだが、我々は人々に健康になってもらう事業に乗り出すということです。」
これが社会存続意義だと言われたことでした。

もう一度、企業は、自社の社是、創業の成り立ちに立ち戻って、リソースの点検を行い、自社の強みを把握して、強みを発揮出来るための共創を模索していく必要があると確信しています。
個人でも同じですが、他の力を借りて自の力を知る。ということが必要なのかと思います。

代表 ・ 中野敦志