余生と与生

私が勤める会社では、昨年から外部研修会社を使って、シニア向けのキャリアデザイン研修を行っています。

80歳までの人生設計において、「イキイキと目標をもって生きましょう!」

というメッセージを込めてお送りしている研修なのですが、

どうも皆さんの心に残るのは老後の資金計画、つまりマネープランのようです。

お金は確かに大切ですが、僕はそれよりももっと大切なのが、80歳までの10万時間をどうイキイキ暮らすか。

ということが大切だと思います。

僕は若い頃から「借金こそ労働の原動力」と言って使えるお金は全部使ってきました。

お金を貯めるとそれを守りたくなり、人生がつまらないものになるような気がしていたんです。

ところが50歳過ぎてからは流石にこのままではやばいと思い、54歳で何とか借金を返し切りました。

だから、お金については非常に楽観的で、どうにかなると思っています。

そんなことより、どう生きるかの方が大切です。

60歳からの20年間は決して余生ではありません。

余った時間が10万時間もあったらたまったもんではありません。

毎日、犬の散歩、庭の手入れ、TV鑑賞、史跡巡り、男の手料理教室!?、、考えただけで死にそうです。

イキイキと生きるためには、自分は何のために生きているのか、何をしていれば楽しいのか、

どういうことを目指せば自分の価値観を充足出来るのか、どんな人たちと過ごせば充実するのか。

60歳から80歳までの人生は与えられた生。与生です。

本当に自分のしたいことが出来る貴重な20年だと思っています。

そのことをみんなには理解してもらいたいのですが、どうも目先のことが気になるようです。

ここでも僕はやっぱり、無い方が楽しい!足らなければ頑張ればいい!と思えてきます。

お金が無くてよかったなぁ~とつくづく思います。(ちょっと負け惜しみが入ってるかも知れません(笑))

さすがに50過ぎて、「借金こそが労働の原動力」とは言いませんが、お金のために働くというよりも、

お金を稼ぐことが大切なんだと思います。

そのために、自分の感性をフルに使って楽しいことにどんどん挑戦していきたいと思います。

55歳、まだまだ若い、まだまだ可能性がある、まだまだ頑張ろう!ってみんなに思ってほしいな。

と研修を見ていて思いました。